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スイスに見る原発への考え方 

福島第一原発事故があったにもかかわらず、日本では政府を先頭にして原発から脱却できず、原発に依存することが当然とする考えが大きく横たわっています。エネルギーに乏しいと考える日本にとって国際競走力に勝つためには「原発ありき」であり、同時に「80%以上の電力を火力発電に依存するのは、コスト面からもCO2排出抑制の観点からも、エネルギー政策としては極めて危険な状態」と認識し「原発の電力は安い」が、「再生可能な自然エネルギーは電力量が少なく日本経済に対応できない」と考えられているからです。本当にそうでしょうか?

そこで、「ファイナンシャルフィールド 」誌にフリージャーナリスト・藤森 禮一郎氏の記事「スイスに見る原子力発電所の再稼働」から転載させていただき、紹介します。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓


〈身近な電気の話ーースイスに見る原子力発電所の再稼働〉


■再稼働は、いばらの道か


東京電力・福島第一原子力発電所事故後、原子力規制員会が新規制基準に適合していると判断して、再稼働に至った原子炉はこの玄海3号のほかに四国電力伊方3号機、関西電力高浜原子力3、4号機、大飯原子力3号機、九州電力川内原子力1、2号機があり、全部で5発電所7基となりました。

100万kW級の原発1基が稼働すると、年間で350~630億円の燃料コストの削減効果があり、CO2の排出量も年間で260~490万トンの削減効果が期待できます。

政府としては地球温暖化を防ぐゼロエミッション電源として、原発の活用を期待しているのですが、再稼働原発は1割強ですから道半ばです。

全体の動きはどうなっているのでしょうか。わが国の商業用原子力発電所の数は、震災前は57基でしたが、事故後43基にまで減少しました。

福島第一原発の事故廃炉、当初計画通りの計画廃炉、新基準の「40年規制」廃炉など、全部で14基が廃炉処分されました。

残る36基は未稼働です。うち7基は規制員会の適合審査を終えて、最終的な工事認可手続きの段階です。地元の了解が得られれば再稼働に向かいます。もう少し時間がかかりそうです。

原子力規制委員会で新基準適合審査中のものが12基あります。しかし残る17基は、適合審査に必要な準備を進めている段階で未申請の状態です。見通しがついていないですね。

政府は世界一厳しい規制基準を制定して、すべての原発の審査をやり直し、新規制基準に適合した原発だけを再稼働させていますが、現在の審査状況からはすべての原子炉が再稼働することができるのか見通せません。今はいばらの道です。

2014年に策定した政府のエネルギー基本計画では、2030年の電源バランスで全発電電力量の20~22%を原子力発電で賄う目標を立てていますが、目標達成のためには少なくとも30基の再稼働が必要といわれます。

少なくとも年間5基程度の再稼働ペースでいかないと、目標達成には黄色信号です。

原発いらない派の人たちには望ましい状態かも知れませんが、80%以上の電力を火力発電に依存するのは、コスト面からもCO2排出抑制の観点からも、エネルギー政策としては極めて危険な状態です。

一刻も早いゼロエミッションに向けたエネルギー政策の確立が求められます。


■現実的なエネルギー政策を

関西電力や九州電力など原子力が再稼働している電力会社は、経営状態が好転し電気料金の引き下げも可能になってきています。消費者にとっては朗報です。

また、火力発電の減少に伴いCO2の排出量も削減されています。原子力と太陽光、風力など再生可能エネルギーとが相まって、脱温暖化電源の定着に向けた好循環が実現しつつあります。

しかし、原子力の安全性に対する不信感は、事故から7年を経た今も、国民の間には根強く残っています。その分、再生可能エネルギーへの期待は大きいのですが、現実の問題として再生可能エネルギーだけでは、原子力の削減分を埋め合わせることはできません。

火力依存が続けばCO2削減の道が厳しいことも、理解されつつあります。

エネルギー世論は原子力依存度を可能な限り減少させ、再生可能エネルギーを可能な限り拡大するという、現実的な選択に向かいつつあるのではないでしょうか。妥当なことだろうと思います。


■スイスの選択 世界最古の原発を再稼働

欧州にも似たような動きが出てきています。スイスの事例を紹介しましょう。

同国の原発運営会社アクスポ社によると、世界最古の商業用原子力発電所、ベツナウ原子力発電所1号機が、3年にわたる補修工事を終えて、このほど運転を再開しました。

ドイツとの国境に近い北部アールガウ州に位置するベツナウ原発は、1969年に1号機が稼働を開始しました、出力36.5万kWの加圧型軽水炉(PWR)2基を持つ発電所です。

アクスポ社によると、地震や洪水に対する強度を向上するための工事や技術インフラ改良のために、2015年3月に2基とも運転を停止していました。運転再開について、AFP通信はアクス社の話として「今後60年間稼働するために必要な安全要件をすべて満たしている」と伝えています。


■福島事故後に、原発廃止を選択

スイスでは2011年の福島第一事故後、原発の安全性についての議論が高まり、電源構成に関する国民投票が行われました。その結果、原発を段階的に閉鎖し再生可能エネルギーの比率を高めるべき、との票が約60%を占めました。

これを受け、スイスでは原発の新設が禁止され、2018年以降は段階的に閉鎖する具体的な計画を策定することを決めています。欧州では、ドイツが2029年までに段階的に廃止することをすでに決定しており、スイスが2番目となります。


■理想論では済まない電源の選択

スイスにはベツナウ発電所のほか、ミューレベルク、ゲスゲン、ライブシュタットの3発電所があります。電源構成は水力が50%、次いで原発が約33%、残りの大半は火力やバイオマスです。

風力や太陽光は1%未満です。アルプスの山がありますから、水力発電が豊富なのは当然ですが、観光立国でもあるから風力や太陽光の適地が少ないようです。

政府は4原発の段階的な閉鎖を計画しているものの、具体的な時期は明らかにしていません。このため、今回のベツナウ発電所の運転再開は、関係者が大いに注目していました。反対の抗議もあるようです。

スイスは、原発を廃止しても欧州電力市場から電源を調達することは可能です。しかし、中立国スイスとしては原子力に代わる自主電源の具体的な手当てがつかないと、安心して原発廃止には踏み切れないエネルギー安全保障上の懸念があるのでしょう。

参考になるスイスの選択です。


【出典】「ファイナンシャルフィールド 」フリージャーナリスト・藤森 禮一郎


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kWとkWhはどう違うの?「太陽光発電は原子力発電の27基ぶん」って本当? 

関西電力のホームページの「細野真宏の世界一わかりやすいエネルギーの授業」に小泉純一郎元首相(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟顧問、〔原自連〕)が「東京新聞」のインタビューに応えて「いま政府が支援しなくても自然エネルギーはどんどん伸びている。単純計算では原発27基ぶんを太陽光だけで出している。自然エネルギーでやっていける」との発言について「典型的なひっかけ問題」と批判しています。

関電は同ページで、「確かに、太陽光発電などの再生可能エネルギーは着実に伸びていて、例えば2014年度で見ると、太陽光発電は2688万kWに達す」と紹介し、これは、原発1基が100万kWと考えれば、確かに27基ぶんに相当する。一見すると正しいようだが、初歩的な部分で勘違いをしている」と指摘。

性能上の「発電能力(kW=(設備容量)」と実際の「発電量(kWh)」が全く別の話だということを理解していないと反論しているのです。

このいきさつを2018年5月16日配信「言論プラットフォーム『アゴラ』」 池田 信夫氏が解説していますので、転載させていただき、紹介することにします。(サイト管理者)



※以下、転載はじめ↓


<kWとkWhはどう違うの?>

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東京新聞が「全電源、自然エネにできる」という小泉元首相のインタビューを掲載し、それに関西電力の公式サイトが突っ込んでいます。2040年に再エネが66.3%になるという予想は常識で考えてもおかしいと気づくはずですが、東京新聞は気づかなかったんでしょうか。

この左側の数字はkW(キロワット)ベース、つまり最大限どれだけ発電できるかという能力です。再エネは電力のデコボコが多く、たとえば太陽光発電所は夜はまったく発電できないので、実際の発電量はこの1割ぐらいです。それが右側の発電量の実績の数字、つまりkWh(キロワット時)です。

kWhというとよい子のみなさんにはむずかしいでしょうが、電力×時間です。たとえば100万kWの原発を3時間うごかしたら、300万kWhになるわけです。最大発電量1万kWのメガソーラーが100基あっても、その1割しか動かないと、1万×100×0.1=10万kWhだから、3時間で30万kWhにしかなりません。この違いがわからないで「1万キロワットのメガソーラー100基で原発1基分」などと報道するマスコミがいまだに多いのは困ったものです。

では実績ベースのkWhで、再エネはどうなるでしょうか。次の図はEIAの予想した世界の電力消費量ですが、2040年で再エネは発電量の約3割、石炭や天然ガスとほぼ同じです。それでも今の2倍近いですが、アメリカのように広い土地のない日本ではそこまで行かないでしょう。

きょう(5月16日)出た新しいエネルギー基本計画の素案では「再エネを主力にする」としていますが、再エネ比率を2030年に22~24%にするというこれまでの目標は変わっていません。これが最初の図の右側ですが、実現できるかどうかはわかりません。今の固定価格買い取り制度(FIT)をやめると、再エネへの投資は大きく減るでしょう。

再エネが増えるのはけっこうなことですが、小泉さんのいうようにそれで100%まかなうことはできません。電力は蓄積できないので、蓄電池が必要だからです。蓄電コストは発電よりはるかに高いので、再エネ+蓄電池ですべての電力をまかなうには、蓄電コストが今の1/28にならないといけない、というのがエネルギー情勢懇談会の計算です。

電気代は、貧乏人も払わないといけない「税金」です。問題は「原発ゼロ」にするかどうかではなく、経済性とともに地球温暖化も含めた環境リスクを考えて、社会的コストを最小にすることです。元首相がこんな簡単なかけ算もわからないのは困ったものですが、わかった上で彼を利用している人々が悪いと思います。


■関西電力ホームぺージ
http://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/teaching/lesson3/theme1/index.html

■小泉元首相インタビュー(東京新聞)
http://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/711

【出典】2018年5月16日配信「言論プラットフォーム『アゴラ』」 池田 信夫



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吉原毅氏「原発推進の矛盾 “自然エネは儲かる”」が新常識 

昨日の当ブログで青年劇場の公演『分岐点』でアフタートークの際の吉原毅・城南信用金庫元理事長の話を紹介しましたが、その概要ともいえる内容が2018年2月19日配信「日刊ゲンダイDIGITAL」で紹介されています。これから、原発推進派の主張、脱原発派の主張、に関する論調を何回かに渡って紹介していこうと思います。そこで、はじめにこの吉原氏の主張を転載させていただき、紹介したいと思います。(サイト管理者)


※以下、転載はじめ↓


〈吉原毅氏突く原発推進の矛盾 “自然エネは儲かる”が新常識〉

福島第1原発事故を受け「脱原発」を宣言した異色の金融マンは、絶対に「原発ゼロ」をあきらめない。

先月には小泉純一郎元首相らと「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表。全ての原発の即時廃止と自然エネへの全面転換を目指す内容に、「原子力ムラ」に毒されたメディアがかみついたが、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟会長の吉原毅氏は「批判はすべて事実誤認」とあきれ顔だ。多くの国民が知らされていない世界のエネルギーの新常識とは――。

■原子力ムラが殺す日本の技術

――基本法案について、産経新聞が1月14日付の社説で〈亡国基本法案〉〈夢想の虚論〉〈これでは国が立ちゆかぬ〉と痛烈に論評していました。これに反論したそうですね。

素晴らしい批判をいただき、感謝申し上げる次第です。おかげで原発推進派の典型的な考え方がよく分かりました。産経新聞でさえ、世界のエネルギー情勢を誤認している。真実を教えて差し上げ、認識を改めていただこうと反論書を送りましたが、いまだ回答はいただけていません。

――産経の社説は〈太陽光や風力発電の電気代が年々、家計に重くのしかかっている〉と高コストを指摘していました。

海外で言ったら、笑われますよ。世界の常識を全くご存じない。自然エネ価格は世界規模で急速に低下し、比較的低コストの石炭や天然ガスよりも安くなっています。太陽光の最安値は1キロワット当たり1・77セント。円換算で2円を切る。風力も肉薄しています。

――ところが、政府は「原発のコストは安い」と喧伝し、ベースロード電源の20~22%に組み込もうとしています。

コスト計算はわれわれ金融機関が専門です。経済人なら、誰もが原発は採算割れだと知っています。さすがに政府もウソをつけないのか、資源エネルギー庁の発電コストの検証資料には、原発だけ「1キロワット当たり10・1円~」と余計な「~」が付いています。「~」とは無限大の可能性もあるということ。苦肉の策の真意を読み取ってあげなければいけません。

――発電コスト低下の裏で何が起きているのですか。

目覚ましい技術革新です。太陽光や風力の発電設備はシンプルで、生産するほど習熟曲線効果で技術は進歩する。大量生産によって製造コストは下がり、設備投資の額も安くなる。特に中国は愚直なまでに品質を年々向上させ、世界中で飛ぶように売れています。ソーラーパネルと風力装置はともに中国企業が世界シェア首位。今や世界一の自然エネ大国です。

――日本のメーカーはどうなのですか。

技術面で後れを取っています。私も各地の自然エネ推進プロジェクトに関わっていますが、太陽光も風力もバイオマスも、まず日本製が採用されない。現場に聞くと、実績がないし、故障が多いと言うのです。「世界に誇る日本の技術」も経験を積まなければ、国際競争に勝てない。原子力ムラの妨害によって、自然エネ開発が遅々として進まないままだと、日本の技術はますます世界から取り残されます。

――先日も電力各社が「満杯」としてきた送電線の容量が、実際は平均8割も空いていたとの京大の研究グループの調査結果が報じられました。

原発再稼働のために確保しているのです。風力発電の供給を検討していた福島の「飯舘電力」は、送電線に空きがないとして、東北電力から20億円もの送電増強費を要求され、事業断念に追い込まれた。こんなバカげた妨害を政府が容認するから、自然エネは拡大しない。政府が原発即時ゼロを決断し、送電線が空けば瞬く間に普及します。

日本の全原発の廃炉費用は多く見積もっても10兆円でしょう。バブル崩壊後に国内金融機関は110兆円もの不良債権を処理し、旧国鉄の分割・民営化で国は37兆円の債務を処理しています。それらと比べれば、どうってことない金額です。

◼️国際金融界からツマハジキ

――産経は社説で〈日本が資源に乏しい島国であることを完全に無視している〉と書きました。

米エネルギー学者のエイモリー・ロビンス博士は「太陽光、風力、地熱に恵まれた日本は、ドイツの9倍の豊かな資源がある」と語っています。例えば日本の農地460万ヘクタールを使い、農作業しながら空中で発電を行う「ソーラーシェアリング」の技術を用いれば、日本の電力需要の10倍に当たる1840ギガワットの発電が可能です。

農家にもお金が回り、耕作放棄地もなくなる。地方に新たな産業が興れば、さまざまな関連ビジネスや雇用が生まれる。若者も希望を持って帰ってくる。こうして自然エネに転換したドイツやデンマークは、地域経済の活性化に成功しました。自然エネは、安倍政権が掲げる「地方創生」の切り札なのです。

――ワクワクします。

産経が大好きな国防面も盤石です。原油に頼らなくなれば、ホルムズ海峡の封鎖は心配無用。逆に危険な原発が54基もあれば、「さあ、ミサイルを撃ってくれ」と国を差し出すようなもの。産経的には北朝鮮の脅威が高まる中、それでいいのでしょうか。

――皮肉ですね。

何より海外に支払う年間25兆円もの化石燃料費が丸々国内に返ってくる。それだけの富が国民に幅広く行き渡るのに、原発温存による「政策障害」が、日本の経済発展を阻害しています。

――中国の方がよっぽど進んでいますね。

昨年10月の共産党大会で、習近平国家主席は「エネルギー革命を起こす」と宣言。2050年までに自然エネを全電力の8割に拡大させる国家目標を掲げました。中国が自然エネに力を入れるのは単純に儲かるから。利にさとい国ですから、儲からないことはやりません。太陽光も風力も燃料費ゼロ。設備の寿命も40年はもつ。設備投資の減価償却を終えれば、近い将来、コストゼロの電力で経済を賄えるのです。

――なるほど、儲かるに決まっています。

“自然エネは儲かる”が、世界の常識。新たな産業革命ともいわれています。低コストで効率良く、安全性が高い。今や電力の主役です。太陽光の総発電量は毎年純増し、380ギガワットを超えた。風力も500ギガワットを超え、両者で1000ギガワット目前。原発1000基分に匹敵します。

加速度的に市場は拡大しているのに、日本だけが立ち遅れている。自然エネに舵を切らなければ、それこそ「亡国」につながりかねません。

――自然エネには世界の金融機関が、かなり投資しているそうですね。

ゴールドマン・サックスが27兆円、シティ・グループは16兆円など景気のいい話が飛び交っています。また、事業運営の自然エネ100%調達を目指す「RE100」には、アップルやNIKE、BMWなど日本でも有名な世界企業122社が加盟していますが、日本企業はリコー、積水ハウス、アスクルの3社のみ。

もはや環境意識の高い企業でなければ、国際金融界から相手にされません。追い込まれた日本の財界や大企業は悲鳴を上げ始めています。原子力ムラのせいで、国際金融界から日本企業が排除されかかっているとは、由々しき問題です。

■戦艦大和の過ちを繰り返すのか

――自然エネはいいことずくめなのに、政府はなぜ、かたくなにデメリットだらけの原発に固執するのでしょうか。

簡単に言えば、原子力ムラのエゴイズムです。従来の方針を続ければ、とりあえず目先の利益や自分たちの利権は守られる。「今だけ、金だけ、自分だけ」の発想です。

そして政官財ともリーダー不在で、誰もが政策転換の責任を負うのを恐れている。戦前の日本軍も、「航空主兵論」が世界の趨勢だったのに、時代遅れの「大艦巨砲主義」に固執し、戦艦大和に莫大な資金と労力を費やし、無用の長物と化した。その結果、この国は一度、滅びたのです。現政権は同じ轍を踏んでいるように見えます。

――目先の利益といえば、アベノミクスの異次元緩和策にも相通じるものを感じます。

株価上昇が目的なら、問題です。株式投資は一種のバクチ。資産を持つ人が、その資産によって、また儲かる仕組みです。カネがカネを生むような風潮を政府が助長すれば、人々の勤労意欲や社会貢献の気持ちを逆なでします。

拝金主義の蔓延でモラルが崩壊し、国家の衰退を招きかねません。原発の背後でうごめいているのは「原子力ムラ」の住人だけではない。拝金主義の蔓延で増殖した利己主義、自己中心的となった日本の世相が深く根を張っています。


【よしわら・つよし】1955年東京生まれ。77年慶大経済学部卒業後、城南信用金庫入職。2010年11月理事長就任。15年6月に退任し、相談役に。17年6月から顧問。東日本大震災以降、被災地支援を精力的に行うと同時に、原発に頼らない安心できる社会を目指して「脱原発」を宣言。17年4月に全国組織「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」を創設、会長に就いた。


【出典】2018年2月19日配信「日刊ゲンダイDIGITAL」


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青年劇場『分岐点』観劇後、吉原毅原自連会長のトーク 

秋田雨雀・土方与志記念「青年劇場」が現在、新宿・紀伊國屋ホールで行なっている『分岐点~ぼくらの黎明期~』を観劇してきました。

この演劇は、2008年9月15日に起ったリーマンショックで、務めていた証券会社から退職勧奨を受けた滝沢史郎が、親友で同僚の近藤康光を誘い、投資コンサルタントの会社を立ち上げようとしていたが、金融の世界に失望した近藤が実家の農業を継ぐと言って家族と共に故郷に。近藤は地元農村で太陽光発電や小水力発電の実現に精力を傾ける。都会と田舎、お金と人、それぞれ違う道を歩みはじめた二人を待ち受ける未来とは……。
経済問題とは、少子化問題とは、環境問題とは、人間の幸福とは……現代の問題の縮図を2時間45分に凝縮した問題作です。(5月27日まで上演)

青年劇場の社会派の演劇は、いつも考えさせられるのですが、今回は「おまけ」がありました。上演後、アフタートークがあったのです。

ゲストは、城南信用金庫元理事長・現相談役、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)会長の吉原毅さんです。それに、原作者で演出家の中津留章仁さんと進行は青年劇場の福島明夫代表のミニトークです。

吉原氏は、第一に自然エネルギー価格は高コストで原発は低コストという主張は事実誤認だと指摘。自然エネ価格は世界規模で急速に低下し、比較的低コストの石炭や天然ガスよりも安くなっている、太陽光も風力もそうで、原発こそ廃炉費用など考えれば高コストだと指摘。日本の自然エネが普及しにくいのは電力会社の送電線を利用させない原子力ムラの妨害だと批判しました。

第二に、日本は島国で資源に乏しいとの理由から原発を維持しなければならないとの主張に対し、日本ほど、太陽光、風力、地熱に恵まれ、ドイツの9倍の豊かな資源がある。日本の農地460万ヘクタールを使い、農作業しながら空中で発電を行う「ソーラーシェアリング」を行えば、相当量の発電が可能。農作物はあまり日光が強すぎない方がよく育つというのもあると話しました。

そうすれば、農家にもお金が回り、地方に新たな産業が興れば、様々な関連ビジネスや雇用が生まれると指摘しました。

第三に、何より海外に支払う化石燃料費用が丸々国内に返ってくる。富が国民に幅広くいきわたるのに、原発依存の原子力ムラが日本経済発展を阻害していると批判しました。

そして、自然エネは儲かるというのが世界の常識。グローバリズムは200年前に第一次があって、その行き着く先は戦争だった。今のグローバリズムは第二次で、拝金主義の蔓延は国家の衰退を招き、行き着く先は戦争としてはいけない。今、必要なのは金融経済というマーケットファイナンスではなく、地産池消、地域経済というコミュニティファイナンスであると。

経済とは「経世済民」、つまり経済は世を救い人々を助けるものでなくてはならないと、吉原氏は青年劇場の公演『分岐点』のテーマである、お金(経済)と人、都会と田舎について語りました。(文責:サイト管理者)



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九電「玄海原発3号機」、蒸気漏れから3週間遅れで営業運転 

佐賀県玄海町にあり3月に再稼働した九州電力玄海原発3号機が5月16日、原子力規制委員会の最終検査を終え、営業運転に移行しました。

当初は4月24日の営業運転を予定していましたが、再稼働から1週間後に配管に穴が開いていて蒸気が漏れるトラブルが発覚したため、この日、約3週間遅れでの営業運転となりました。

規制委では15、16日の二日間に渡って、原子炉の圧力や温度などを確認して原発が安定的に稼働しているかの最終検査を実施し、合格証を交付しました。

同原発の今村博信所長は「身の引き締まる思いで、ここからが新たなスタート。皆さまに信頼してもらえるようにする正念場だ」と述べました。


【出典参考】2018年5月16日配信「共同通信」


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